ねんきんネットの年金見込額試算を参考にしてはいけない理由

ねんきんネットの便利機能「年金見込額試算」。
将来もらえる年金受給額をかんたんにシミュレーションできます。

なんせ日本年金機構の提供なので使っている人も多いんじゃないでしょうか。

でも、ねんきんネットの支給額を参考にして将来設計をすることはおすすめしません。

なぜなら私たちはこんなに年金もらえないんです!

目次

  • ねんきんネットの試算する年金受給額は今から年金をもらう人と同じ水準
  • 将来の年金水準はここまで下がる!
  • ねんきんネットのかわりになる計算方法

ねんきんネットの試算する年金受給額は今から年金をもらう人と同じ水準

どうやらねんきんネットはあなたが何歳であっても、今から年金をもらい始める人と同じ水準で試算しているみたいです。

ためしに試算してみます。
条件はこんな感じです。

  • 22歳から40年間サラリーマンとして働く
  • 40年間の平均年収は約540万円
  • 現在30代半ばで年金は65歳から受給開始

生涯平均年収はサラリーマン男性の平均年収並みの540万円としています。

年金ネットで試算すると年金支給額は年間約190万くらいになります。

次に来月から65歳になって年金が満額もらえる人の厚生年金額を同じ条件で計算してみます。
年金額の計算方法は日本年金機構のサイトに書いています。

  • 22歳から40年間サラリーマンとして働く
  • 40年間の平均年収は約540万円
  • 現在65歳で来月から受給開始

日本年金機構の計算式に従って概算した結果、年金支給額は年回約196万円になります。

概算なので多少の誤差はありますが、ねんきんネットの結果とほぼ一緒です

計算式通りなら問題ないんじゃないの?と思ったあなた。
問題大ありです。

年金支給額は今後どんどん減っていくんです!
私たちの世代はこんなにもらえませんよ!

将来の年金水準はここまで下がる!

では将来の年金額がはどこまで下がるのでしょうか。

年金の支給水準は所得代替率という指標で示されます。

これは夫婦2人のモデル世帯が受け取る年金額を現役世代男性の平均的な手取り収入に対する比率で示したものです。

2014年にはモデル世帯の年金額は21.8万円、現役男性の平均的な手取り収入は34.8万円でした。

つまり2014年には所得代替率が62.7%(21.8万円÷34.8万円)だったんです。

では将来の所得代替率はどうなるのでしょうか。
厚生労働省の平成26年財政検証は様々の経済環境での将来の所得代替率をシミュレーションしています。

最も経済環境が良いケースでの所得代替率は2040年に51%程度になります。
2014年に比べて約19%の減少です!

現状からあまり経済が回復せず寿命の延びも大きいケースでの所得代替率は2040年には48.1%、2050年には43.6%まで減少します。

また、経済環境の悪化や運用の失敗により年金の積立金が枯渇してしまった場合には38%程度まで減ります

年金財政は基本的には赤字なのでリーマンショックのようなことが起こればけっしてあり得ないことではないです。

政府は最低でも50%以上は維持すると言っていますが、財政も経済環境も厳しい日本の状況では50%割れも十分あり得ます。

ねんきんネットのかわりになる計算方法

じゃあ、老後に備えるのにいったいいくらの年金がもらえると思っておけばいいんでしょうか!?

老後に備えるという意味ではあり得る最悪のシナリオである38%を想定しておくべきでしょう。

ここで38%の所得代替率というのはあくまで夫婦二人のモデル世帯が受け取る率です。
実際は収入や世帯の人数によって変動します。

以下の式でおおむね所得代替率38%ケースでの1人当たりの年金額が試算できます。
(生涯平均年収の手取り額)は生涯平均年収x80%くらいで計算しておけばいいでしょう。

1年間の年金受給額 = 40万円 +(生涯平均年収の手取り額)x 19%

ちなみにこれは40年間働いた場合です。
専業主婦の場合は年収ゼロで計算してください。

最初に見た生涯平均年収が540万円のケースだと142万円ですね。

政府と日本の未来を信じるんだ!という人は50%を使ってもいいと思います。
その場合は以下の式を使ってください。

1年間の年金受給額 = 55万円 +(生涯平均年収の手取り額)x 25%

最初に見た生涯平均年収が540万円のケースだと163万円ですね。

老後の備えは必須!早めに将来計画を作ろう

38%ケースだと夫婦で世帯の生涯平均年収が800万あっても年金支給額は年間200万円ほどになってしまいます。

年金だけで暮らしていこうと思うのは厳しいです。

さらに私たちは今の高齢者以上に長生きします。
何歳まで生きるのか?老後の資金を備える前に知っておくべき寿命の話

老後の資金を今のうちから貯めておくことは必須です。

祖父母や両親、高齢の親戚なんかを見ているとなんとかなるような気がするかもしれません。

でも彼らとは年金の額も、寿命の長さも、給料や退職金の水準も、どれをとっても不利になっているんです!

過去の世代をロールモデルにできない以上自分の合わせた将来経計画を自分で作るしかありません!